「とてもとても素敵な作品です」
というようなシンプルな言葉しか出てきません。
あえていうならば、ほのぼのとした至福というような、
何ら変わりのない日常の中にこそ、幸せが隠されている
(数式の中に様々な真実が隠されているように)
と感じさせてくれるような作品です。
実は、一昨日には読み終わっていたんでしたが
昨日も読み返して、今日もまた、読んでいます。
他にやることあるだろと突っ込まれそうですが、
・・・いいんです。
内容については、説明をするのも野暮なので
「読んでください」ってことだけなんですけれど、
もう少し、感想を書いてみようかなと。
「数式」は本来、無味乾燥な
ただの文字と記号の羅列であるはずなのに
それが、博士の口から語られると
そこに博士の照れや、敬虔さや、慈愛や、喜びが、
時には、静かに振り続ける秋雨のような博士の悲しみが、
「数式」に隠れて、自分達にも感じることが出来る。
こういうことって、とても素晴らしいことなんじゃないだろうか。
80分のテープしか持たない博士には、
彼らと彼女との記憶は、そして、自分自身の考えたことすら
残ることは、決してない。
それでも、そこにあったものは
記憶や形として残らなかったとしても、
決して無駄なものなんかじゃなくて
間違いなく尊いものだったのだと、思う。
例え、博士の中にとどまり続ける事はないとしても
別の誰かの中にとどまりつづけるものなのだ、と。
それは、不変の真実のように。
博士の愛した数式のように。
そんなことを考えつつ、秋の夜長を楽しんでいたりします。
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カテゴリ: 缶けり